一人のカメコがレンズ沼にはまりかけたものの、抜け出した?話
仕事がうまく行かず、いろんな人に迷惑をかけまくったので現実逃避のために書いてみる。
2010年1月か2月、人生で初めて一眼レフカメラを購入した。当時もう底値に近かったD90の18-105mmズームキット、92,800円だったのを覚えている。悩みに悩んで買った一眼レフ、嬉しくて嬉しくて、充電もそこそこに、金曜夜の住宅街をカメラを持ってうろついた。
買った直後に横浜の夜景を撮りに行った。
その後、夜景を撮ったり花を撮ったり、カメラを持って色々撮影したが、すぐに不満が出てきた。もっと広角で撮りたい、マクロ写真を撮りたい、もっとぼかしたい。。。
だが26歳の自分にとって、安物の単焦点ですら高価だった。3万円のレンズ。今なら安いと思うが、それでもコンデジを買える値段。欲しい欲しいと思いながら過ごしたが、ぐっと我慢していた。しかし一眼レフを手に入れてから3ヶ月後のある日、AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8Gを手にした自分がいた。
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マクロや広角と迷ったが、広角レンズは少々高価であったため除外。マクロについては会社の先輩から、「マクロより単焦点が先じゃない?」と言われたためこちらにした。安かったし。
ただ単にぼかしただけの写真。恥ずかしい><
安いものとは言え、キットのズームレンズとは違う写りに感動し、色々なものを撮りまくったが、最短焦点距離30cmにはやはり満足出来ず、もっと近づきたい!という想いは消えなかった。それから3ヶ月後、タムキューを手にした自分がいた。
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これは結果的にあまり使わなかった。D90につけると換算で135mm。狭すぎる。花や虫を撮るなら良いのだが、風景撮りメインの自分にとって、普段持ち出そうと思う焦点距離ではなかった。数年後の話となるが、フルサイズのボディを購入した事で日の目を見る事になるが、それはまだまだ先のお話し。
当時タムキューで撮ったと思われる写真が残っていなかった。残念
D90購入後半年でレンズを2本購入。順調にレンズ沼にはまっていると思われたが、ここで停滞する。本当は広角と望遠が欲しくて色々調べてはいたものの、やはり高価で手が出なかった。18-105mmをメインレンズとしながら、もっと寄りたいなぁとか、もっと広く撮りたいなぁとかつぶやきながら、2年半の月日が経過する。。。
それから2年半後、D90を購入してから丁度3年後。自分には妻が出来、新婚旅行の準備をしていた。その中である決断をする。
広角レンズを買おう。
海外にはD90を持って行くつもりだったが、海外で見た風景を出来る限り記録してきたい。そのためには広角レンズが不可欠と考えていた。これは大正解であり、新婚旅行中はほぼレンズ交換をしなかった。広角レンズはTokinaと純正で迷いに迷ったが、安心感と10mmという超広角の純正レンズを購入する。
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旅先のアンテロープキャニオンとグランドキャニオン
8万円のレンズ。D90購入当時、3万円のレンズでも高いと思っていた自分が、8万円のレンズを買ってしまった。ここから何かが崩れる事になる。
話は前後するが、新婚旅行に出発する前の週に友人の結婚式に参加する予定だった。自分の結婚式から約半年後の話。それまで結婚式には何度か参加させて頂いたし、既に一眼レフも所持していたものの、それを持って参加した事は無かった。だが自分の結婚式でプロに写真を撮って頂き、自分も撮ってみたいと思うようになった。そこでプロの邪魔をしないように、友人の結婚式で写真を撮ってみる事にしたのだ。単なる自己満足です。はい。
広角レンズを買ったのが2月、友人の結婚式と新婚旅行が4月、その間の3月に、安物の明るいレンズとストロボを手にした自分がいた。
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結婚式の写真は難しかったが、撮るのは楽しかった。これは余談だが、自分の結婚式のあと、プロから写真を貰えるのは1ヶ月以上先となる。しかし結婚式に呼べなかった方への報告や、来られなかった方へのお礼に、写真を添えて手紙を出したかったので、友人から貰った写真が活躍した。もしかしたら喜んでもらえるかもしれない。ただしプロの邪魔は厳禁。控えめに。
広角となんちゃってマクロが使える明るいズームレンズを買った事により、何かが弾けた。幸か不幸か、3年前より収入も上がっており、ボーナスで数万のレンズを買っても大丈夫な程度の収入はあった。社畜万歳。
新婚旅行から帰って2ヶ月後、広角も買ったし、そろそろ望遠も欲しいよね!ということで、夏のボーナスを使って望遠レンズを購入する。
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よりによって小三元の一角に手を出してしまったのである。半年でレンズに30万弱つぎ込んだことになる。
長瀞で
この買い物は次にフルサイズを購入するという意思に基づいたものだった。望遠レンズを買うかフルサイズのボディを買うか迷ったが、最終的に望遠にした。なぜならフルサイズを買うならD600と思っていたが、ダスト問題で騒がれていたためだ。次まで待とうとと考え、望遠レンズを選択した。
10-24、28-75、70-200 と揃った事により、とりあえず不自由せずに写真を撮る事が出来るようになった。単焦点が欲しいと思う事は多々あったが、次はフルサイズ!と思い、我慢した。そして思ったよりも早く、D610が発表される。
D610が出たとき、ある点でありえねーと思ったがそれは割愛。発表されてから約半年後の2014年3月、この頃仕事が死ぬほど忙しく、稼ぎまくった残業代で購入した。フルサイズの写りには満足している。D90は薄めの色で出てくるが、こちらはこってりしており鮮やかな印象の写真が多くなった。気分的なものもあるかもしれないが、買って良かったと心から思っている。
フルサイズ対応レンズは、タムロンの28-75とNikkor 70-200であり、広角レンズはDXレンズだったため主力から外れてしまった。しかし海外旅行用にD90とのコンビで活躍してもらおうと思っており、事実最近行った香港にはその組合せで持って行った。
フルサイズ用の広角レンズが欲しいかと言われると微妙なところだ。昔ほど広角が欲しいとは思わない。旅行には必須だと思うが、普段は不要。この頃からある違和感を感じ始める。
レンズってそんなにいらなくね?
広角から望遠まで一通り経験し、写真暦も4年を超えた。昔は「○○レンズが無いとだめだ!」と思っていたがそんなことは無い。狭いなら狭いなりの、寄れないなら寄れないなりの撮り方を覚えた。状況によって様々なレンズが必要になるのは事実だ。例えば先日、会社のメンバーでスポーツをしたときの写真係をしたが、望遠が活躍した。また、海外旅行には広角が必須だ。だが普段は不要なレンズだと思うようになった。それを確信に変える、ある出来事が起こる。
大学から写真部に所属していたという後輩の写真を見る機会があったのだが、それに衝撃を受ける。古いフィルムカメラで撮影した白黒の写真。機材の質で言えば自分の方が格段に上だが、自分にはこんな写真は撮れないと思った。50mmの単焦点で撮影したものだと言う。構図がうまいし被写体の選択もすばらしかった。
実は以前から頭ではわかっていた。良い写真=良い機材ではない。
この写真が今まで一番のお気に入り。機材はD90+キットレンズだ。だから「良い写真=良い機材」でない事は頭ではわかっていたが、それを突きつけられたような気分だった。それから考え直した。単焦点だけを使って勉強し直そう。高いレンズでなくて良い。中古の古いレンズを買って構図で勝負しよう。
そこで基本に戻るために、35mmと55mmのレンズを中古で購入した。
Ai Nikkor 35mm F2S - マニュアルフォーカスニッコールレンズ | ニコンイメージング
Ai Micro-Nikkor 55mm f/2.8S - 概要 | レンズ | ニコンイメージング
昔、DXの35mm(換算52mm)では狭い!と思っていたが、さすがにそんなことは思わなくなっていた。狭いなら狭いなりの撮り方がある。楽をしないためにマニュアルフォーカスレンズにしたが、思いのほか楽しかった。ねっとりした重さのフォーカスリングが心地よい。また、絞りリングも使いやすい。
今では35mmか55mmのどちらかを、D610に付けて出かけている。不自由はしていない。先日妻と1泊旅行に行ったときも、55mmだけで過ごしてしまった。28-75mmと70-200mmも持って行ったのだが、ほぼ使っていない。
古いレンズだけあって、難しい点はある。だがそれが楽しい。マニュアルフォーカスの単焦点にしてから、レンズに頼る事無く写真が撮れているような気がする。楽しくて楽しくて、古いマニュアルフォーカスレンズ集めに走りそうな気もするが、それはそれで。
自分でフォーカスを合わせ、今のレンズの画角で撮れるものを工夫して撮る、当分はそれに没頭しようと思っている。